中型サイズで高さのある製品加工に適した、横型NCターニング加工機 LB45Ⅲ

2017年3月27日

 メーカー オークマ株式会社
 型式 LB45Ⅲ
 工作機械分類 ターニング加工機(1サドルCNC旋盤)

大谷鉄工所 洲本事業所で加工している製品は、

鉄道用車輪、鉄道用ブレーキディスク、溝型車輪、鉄塔用フランジ、トラック・バス用アルミホイール等多岐にわたります。

このLB45Ⅲはその中でも、トラック・バス用アルミホイール(アルミ製品)の加工専門という役割を担っています。

LB45Ⅲは大谷鉄工所 洲本事業所の保有する設備の中では

比較的小型(一般的には中型)サイズの製品加工を行う工作機械になります。

しかし、他の保有する工作機械との決定的な違いは、横型のNCターニング加工機であるということです。

 

LB45Ⅲ ターニング加工機 の機械性能
 最大加工径
φ660 mm 
 最大加工長さ
750 mm 
 最大ワーク重量
625 kg 
 最大トルク
4,136 N・m 
 Z軸移動量
440 mm 
 X軸移動量
1,060 mm 
 主軸回転速度
10~2,400 min-1 
 刃物台の工具取付本数
12本 
 数値制御装置
OSP-P300L 

 

まず、一般的な立旋盤と横旋盤の用途の違いについてご説明します。

主軸スピンドルが垂直に向いているものが立旋盤、水平に向いているものが横旋盤になります。

立旋盤は主軸が垂直方向であるため、被削物(ワーク)はコマのように地面に対して水平に回転します。

そのため大型で重量のある製品や、矩形(くけい)材、その他に通称ダンゴ材と呼ばれるような、

回転バランスの悪い素材からのターニング加工において、横型よりも安定した加工が行えます。

一方横旋盤は、被削物が垂直に回転します。

工具が水平方向に移動するため、高さ(Z軸方向の長さ)のある製品の加工に適しています。

大谷鉄工所 洲本事業所で加工している製品で例えるならば、

1枚500kgを超える鉄道車輪のような、重量はあるが高さの低い製品は立旋盤向き、

トラック・バス等で使用されるホイールのような、比較的小型で重量は軽いが高さのある製品が横旋盤向き、となります。

 

金属加工でよく用いられる鋼材としてS45CやS22C、SM520、SUS304、A6061などがありますが、

被削物の材質が異なると、当然加工プログラムもそれに適したものにする必要がありますし、

使用されるチップなどの工具も変わります。

また、一つの機械で異なる素材の加工を行うと、切削加工後に発生する切り粉(ダライ粉)の材質が混在してしまいます。

(切り粉は産業廃棄物となるため、分別が必要)

そのため、大谷鉄工所 洲本事業所のLB45Ⅲはアルミ製品のターニング加工専用機として活躍しているのです。

 

アルミ製品のターニング加工は、材質が鉄よりも柔らかいために注意を払う点が各所にあります。

まず加工前には、素材に鉄の切り粉やダライ粉が付着しているとチップの破損につながるため、

加工前の状態確認を怠ってはなりません。

また、工作機械への乗せおろしの際や、輸送時にちょっとしたことでも当てキズが発生するため、

製品の取り扱いには一層の慎重さが求められます。

クレーンでの取り扱い時には、通常金属製のハッカーを使用しますが、アルミの場合はベルトスリングを使用します。

そして仕上げ加工時には工具やチップにパーマなどの異物が付着していないか充分注意して加工を行っています。

ちなみに、一般的にアルミ製品は鉄製品よりも高い面粗度が要求されます。

(一般的にS45Cの場合はRa3.2~Ra12.5、アルミの場合はRa0.8~Ra6.3(鏡面仕上))

加工が完了後は個別梱包し、搬送時のキズ防止対策を図っています。

 

一品一品に加工担当者の技術を集結し、常に精度の高いものづくりを行っています。

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